生い茂る森の詩

考えたことをポツポツと詩や文章にして。

面影


胸に焦げついた記憶
忘れられずにいるのは
誰かが憎いとか 恨めしいとか
そういうことではなくて

 

心を許した自分が
不用意なことをこぼした自分が
泣き虫だった自分が
期待して止まなかった自分が
あまりにも幼くて
あまりにも痛々しくて
そしてまたそれに引きずられる今の自分さえ
憎くて苦しくて仕方がないからなんだ

 

いつだってわからないのは自分の心で
いつだって信じられないのは自分の言葉だ
誰かのせいにして逃れるならそれで楽かもしれない
状況が、周りの目が、あの人の言葉が、
僕をこんなに傷つけたんだと言えるんだったら

 

でも今はもうそんなことも
できないくらいどん底に落ちたんだ
夢を忘れ 希望に捨てられ
誰も信じられなくなった僕にとって
唯一信じなきゃいけないのは自分自身なのだと
今更気づいたんだ もう遅いのかな

 

『面影』