生い茂る森の詩

考えたことをポツポツと詩や文章にして。

君の王子さま

 

ただ 王子さまでいたかった
ただ 夢を見せてあげたかった
ただそれだけなんだ 許してくれよ

 

君は正面 オレンジジュース
僕はノンアル 烏龍茶のみ
とはいえ宴会 ウケ狙わなきゃ
君を笑わせ楽しんでいた

 

君は笑顔を絶やさずに
目を輝かせて 僕に言う
彼女はいるの?彼女は欲しい?
僕は迷わず頷いた

もちろん彼女は欲しいけれどさ
なかなかできない 出会いがない

 

本当のことは言えない言わない
君はかわいい 彼女より

 

ただ王子さまでいたかった
ただ夢を見せてあげたかった

ただそれだけなんだ 忘れてくれよ

 

君は優しく僕に言ったね
誰でもはじめは上手くできない
だけど時間(とき)こそ僕を強くする
あなたは必ず強くなるって

 

僕は耐えられずに言ってしまった
上目遣いで 微笑む君にさ

君の期待には答えられない
期待をさせてしまってごめん

 

みるみる涙が溢れる君に
気づいて今更 後悔したんだ

 

ただ 王子さまでいたかった
ただ 夢を見せてあげたかった
ただそれだけなんて 言えるだろうか

 

君は「さよなら」言わずに行った
僕はなんにも 言えずに見てた
甘えていたのは 僕の方だね
待っていたのは 僕の方だね

 

君の想いは忘れないのさ
僕を誰より 愛してくれた

 

ただ王子さまでいたかった
ただ夢を見せてあげたかった
ただそれだけなんだ 許してくれよ…

 

『君の王子さま』